この世のすべてにBig LOVE

推しを愛でる。

#2

3月9日 am5:30

僕は電車に揺られていました。

 

始発から2本目くらいの電車に乗って。

まだ真っ暗な街を行きます。

 

今日から3日間、僕達は歩くのです。

 

ほかの3人は茨城からなので前日に千葉市内へ前乗り、木更津で現地集合です。

 

電車で軽く2時間40分はあるでしょうか。

船橋で乗り換え、内房線へ。

当たりが明るくなった頃、自分たちがこれから歩く道を逆走しながら僕は絶望したのでした。

 

あれ?電車乗ってんのに全然着かなくない?

地元と同じくらい田舎でなんもなくない?

 

こんなはずではなかったと、もう少し都会を歩くつもりだったと電車酔いをしている僕に現実を突きつけてきました。

 

am8:30

木更津駅にて合流。

3人の顔を見た時みんな同じ表情をしていました。きっと僕も同じ顔をしていたでしょう。

 

言いたいことはすぐに分かります。

だから僕がみんなより先に言ったんです。

「もしかして僕らやらかした?」

 

 

 

徒歩の旅、東京湾約1周のスタートです。

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前日に頂いた推しからの激励を胸に、僕達は曇天の下を歩き始めるのです。

19時〜20時までには当日泊まる宿を探し入りたい。休憩時間を加味しても、一日の平均稼働ノルマはだいたい8時間程度ということで落ち着く暇もありません。

木更津駅を出発しひとまず千葉市方面へと北上長い旅がスタートしました。 

 

 

歩き始め最初に確認したのは各々の装備です。

基本的にウェアはワークマン。

下準備の段階でコストパフォーマンスが最強だと全員の資源調達の要となりました。

 

エネルギー補給も大切です。

僕は荷物を減らしたくて消耗品は現地調達にしようと初期装備に組み込みませんでしたが、さすがは現役運動部。

野球部の彼が全員分の糖分補給物資を持ってきてくれました。こういう人材は大切です。

 

そして最もお金をかけるべきは足元。

僕らはこの企画の準備段階として、100kmを歩く大会に出場している方のブログを参考にしました。

 

自分→新しく買ったシューズ+インソール(柔)

野球部→履きなれたシューズ+インソール(硬)

テニス→履きなれたシューズ+インソール(硬)

筋肉→安物のわらじ+予備のスニーカー

 

 

僕は、日頃から運動しているわけでは無いのでこのために靴を新調しました。

「100km以上歩いても壊れない靴ください」

こんなこと言う日が来るとは思いませんでしたが、僕は足がデカいのでほぼ一択みたいな感じでした。

 

余談ですが、皆さんランニングシューズといえば聞き馴染みがあるかと思いますが、実は長距離のウォーキングには適さないものもあるようです。

ウォーキングにはウォーキングシューズというものがあるくらいで衝撃のかかり方や減り方に応じて選ぶ必要があるそうです。

もちろん、ランシューでもインソールとかでどうにかなるそうですけどね。

 

 

現役で運動している二人は履きなれたランニングシューズにちょっと良さげな硬めのインソールを入れていました。

 

 

そして、明らかにおかしい奴いますよね。

こいつはバカです。この企画を準備段階から最もナメてかかっていた男。

 

彼いわく、昔の日本人は凄かったのだと。

重い甲冑を担ぎ武器を持ち侵攻をした。

参勤交代もすごい。飛脚もすごい。と

だから俺はわらじなんだと。

 

僕達はちゃんと止めました。

こいつは本物のバカです。

 

言わずもがなこれらの選択はこの後の結果に大きく影響してくるのですが、それは追って見ていくこととしましょう。

 

 

歩き始めて1時間

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こんな写真撮ってる余裕すらあります。

なんなら道間違えちゃったりなんかして。

この時はまだ楽しさ100で歩けてましたね。

 

 

am10:00 (約7km地点)

順調に歩みを進め、本日最初の大きな休憩。 

一行は袖ヶ浦に突入しました。

みんな朝飯食べてなかったのですき家に入りました。

 

お腹いっぱいにはせず、歩くためのエネルギー補給です。

 

まだまだみんな余裕の表情。

 

 

僕達は国道沿いをずっと歩いていたのですが、袖ヶ浦入ったくらいの時はまだお店も沢山あって、小休憩を挟むコンビニなんかも沢山あったんですよね。

 

 

しかし、すき家を後にして歩き始めること30分僕達はこの辺りから1つ目の大きな過ちに気づき始めるのです。

 

 

そもそもが、車通りの多い国道。

東京湾沿いであり工場も多く隣接しています。

 

そう、僕らが歩く道はいわゆる産業道路

 

歩きやすさを考慮し、広く平坦な道を選びました。しかし、これは何を意味するのか?

 

休憩をとるための店、コンビニですら段々と見えなくなり道路はどんどん広くなる。

わきを走るのは一般乗用車と大型のトラック。

見渡しはいいけど先は全く同じ道が広がっている。

海沿いだからオーシャンビューでもみえるかなとか思ってたけど、防波堤と工場、そしてデカい木。

 

すれ違う歩行者すらいなくなり。

なんなら歩行者なんて僕らしかいなくなり。

ただ広く平坦な道をひたすらに歩いていく、

そんな時間がスタートしたのです。

 

 

その最中、1人の男が声をあげます。

「なんかさっきからちょっと足やばいかも」

わらじの男です。

 

 

そして時を同じくしてもう1人。

「やべぇ、めっちゃトイレ行きたい」

僕です。

 

 

まだ、1日目の午前中。

さてどうなる?